和痛(無痛)分娩

Painless-delivery

About

当院では、硬膜外麻酔を用いてお産の痛みを和らげる和痛(無痛)分娩を行っています。痛みを完全になくすことだけを目的とするのではなく、お産の進み具合や赤ちゃんの状態を確認しながら、痛みを安全に軽減していく方法です。

Policy

痛みが強すぎると、呼吸が乱れたり、体に力が入りすぎたり、不安や緊張が強くなったりすることがあります。一方で、痛みや陣痛の感覚がまったくわからなくなると、いきむタイミングがつかみにくくなることもあります。
そのため当院では、痛みを十分に和らげながら、陣痛に合わせて自然に力を入れられる程度の感覚を保つことを大切にしています。お母さんと赤ちゃんの状態を確認しながら、分娩の進行に合わせて麻酔を調整します。

Results

当院では県内唯一の24時間体制で和痛(無痛)分娩を実施しています。

2023年 2024年 2025年
66件 100件 151件

Timeline

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初産婦 経産婦
入院の目安 原則として、自然な陣痛発来や破水のタイミングで入院します。自然陣痛が始まっている方が、分娩までの時間が短くなりやすい傾向があります。遠方にお住まいの方や予定日超過などの場合は、医師の判断で計画入院となることがあります。 ご本人・ご家族の都合、外来での内診所見、お腹の張りなどを考慮し、医師の判断で入院日を決定します。原則として誘発日前日に入院します。
注意点 初産婦の方が計画分娩を行う場合、分娩までに数日を要することがあります。
また、陣痛誘発を行っても十分な陣痛が来ない場合には、ご本人の希望により一度退院(帰宅)し、後日あらためて誘発を行うことがあります。その際、硬膜外麻酔のカテーテル(チューブ)は一度抜去するため、再度硬膜外麻酔を行う場合は追加の費用が発生します。
経産婦さんは陣痛開始後に分娩が急速に進むことがあるため、計画分娩をお勧めしています。
麻酔を始めるタイミング 初産婦の方では、お産の進行状況を確認しながら硬膜外麻酔を開始します。一般的には、規則的な陣痛があり、分娩が順調に進行していることを確認したうえで院内の状況を踏まえ開始します。
なお、母児の状態や分娩の進行状況により、麻酔開始の時期を調整することがあります。
分娩の進み具合や進行速度を確認し、医師と相談のうえ麻酔開始のタイミングを決定します。

※基本的に分娩誘発は月・火・木・金の平日に行います。入院はその前日となります。

Fee

和痛(無痛)分娩には、通常の分娩費用とは別に、和痛(無痛)分娩に関わる費用がかかります。費用は分娩経過、麻酔の使用状況、入院期間、処置内容などによって変わる場合があります。

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項目 料金 内容・備考
和痛(無痛)分娩予約金 10,000円 妊娠25週6日までにお支払いいただきます。予約金のお支払いをもって、和痛(無痛)分娩の予約完了となります。予約金は和痛(無痛)分娩の料金に充当し、本人都合によるキャンセルの場合の返金は致しかねます。
計画和痛(無痛)分娩費用 100,000円 原則、経産婦を対象とします。
通常の分娩費用とは別にかかります。
オンデマンドでの和痛(無痛)分娩費用
(初産婦・経産婦に関わらず)
130,000円 事前予約のある方を対象に、入院後の分娩進行や痛みの程度に応じて麻酔を開始します。ただし、病棟の状況や助産師・医師の体制により対応できない場合があります。
予約外での和痛(無痛)分娩費用 140,000円 妊娠26週0日以降で陣痛発来までに和痛(無痛)分娩を希望された方を対象とします。計画和痛(無痛)分娩の方および事前予約のある方を優先して対応するため、病棟の状況や助産師・医師の体制により対応できない場合があります。
急遽希望での和痛(無痛)分娩費用 150,000円 事前予約がなく、陣痛発来にて入院後(前駆陣痛を含む)に急遽和痛(無痛)分娩を希望された場合の費用です。
計画和痛(無痛)分娩の方および事前予約のある方を優先して対応するため、病棟の状況や助産師・医師の体制により対応できない場合があります。
自己血貯血に関わる費用 8,000円/回 自己血貯血や検査に関わる費用については、妊婦健診時にご確認ください。

Flow

  1. STEP 01

    ご希望の確認

    初期問診(妊娠12週頃の健診)および中期問診(妊娠25週頃の健診)で、和痛(無痛)分娩のご希望を確認します。

  2. STEP 02・03

    予約金のお支払い・説明文書の確認と同意書の提出

    和痛(無痛)分娩をご希望の方は、妊娠25週6日までに和痛(無痛)分娩予約金をお納めください。予約金のお支払いをもって、和痛(無痛)分娩の予約完了となります。
    予約金のお支払いまでにご自身・ご家族で「和痛分娩希望の方へ」をお読みいただき、支払時の健診にてご不明な点を確認したうえで、同意書をご提出いただきます。

  3. STEP 04

    自己血貯血

    和痛(無痛)分娩では、分娩経過によって出血量が多くなることがあります。当院では、緊急時の出血に備えるため、和痛(無痛)分娩を希望される方には、自己血を2パック貯血していただくことを実施条件としております。35週以降の健診で、1パックあたり300〜400mLを目安に、原則2回に分けて貯血します。

  4. STEP 05

    分娩方法

    初産婦さんは自然な陣痛発来や破水などの分娩開始徴候を待ち、経産婦さんは計画分娩(分娩誘発)をお勧めしております。ただし、経産婦さんでも予定日前に陣痛が始まることがあり、その場合には十分に和痛(無痛)分娩の効果を感じられる前に分娩となる場合があります。

Process

  1. 分娩に備えて点滴ルートの確保を行い、必要時点滴を開始していきます。
  2. 処置を受けやすいよう、産衣に着替えていただきます。
  3. 血圧計や心電図モニターを装着します。
  4. 座った姿勢、または横向きの姿勢になっていただき、背中から硬膜外麻酔のカテーテルを挿入します。
  5. カテーテルは背中から肩にかけてテープで固定します。挿入後はカテーテルが抜けることを防ぐため、シャワーはお控えいただきます。
  6. 麻酔の効き具合を確認しながら、副作用が出ていないかを観察します。
  7. お産の進み具合や痛みの程度を確認しながら、必要なタイミングで麻酔薬を使用します。
  8. 分娩終了後、お部屋に戻る前に麻酔のカテーテルを抜きます。

Merit

  1. お産の痛みを大きく和らげることができます
    硬膜外麻酔により、陣痛の痛みを大きく軽減することができます。痛みが和らぐことで、身体的な負担だけでなく、不安や緊張などの精神的な負担も軽くなることが期待できます。
  2. 落ち着いてお産に向き合いやすくなります
    痛みが強いと、呼吸が乱れたり、体に力が入りすぎたりすることがあります。痛みを和らげることで呼吸を整えやすくなり、助産師や医師の声かけに合わせて、落ち着いて分娩に臨みやすくなります。
  3. 体力の消耗を抑えられることがあります
    分娩時間が長くなる場合でも、痛みによる疲労を軽減することで、子宮口が全開した後の「いきみ」に必要な体力を保ちやすくなることがあります。
  4. 血圧の上昇を抑えられることがあります
    陣痛の痛みによって血圧が上昇することがあります。硬膜外麻酔により痛みを和らげることで、血圧の上昇を抑えられる場合があります。妊娠高血圧症候群などの合併症がある方では、母体の状態に応じて、経腟分娩を目指しやすくなることがあります。
  5. 緊急時の対応に役立つ場合があります
    硬膜外カテーテルが入っていることで、分娩中に処置が必要になった場合や、帝王切開が必要になった場合に、麻酔薬を追加して対応できることがあります。ただし、緊急性や麻酔の効き具合によっては、別の麻酔方法が必要となる場合もあります。
    帝王切開となった場合には原則として脊椎麻酔となります。

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  1. 麻酔の効果には個人差があります
    体質やカテーテルの位置によって、麻酔の効き方には個人差があります。十分に痛みが取れない場合や、片側だけ効きにくい場合には、体の向きを変える、麻酔薬を追加する、必要に応じてカテーテルを入れ直すなどの対応を行います。
  2. 分娩中の行動に制限があります
    麻酔中は足に力が入りにくくなることがあるため、転倒を防ぐ目的で、基本的にはベッド上で過ごしていただきます。また、硬膜外カテーテルは背中から肩にかけて固定されるため、挿入後はシャワーを浴びることはできません。
  3. 麻酔中はお食事を控えていただきます
    安全のため、麻酔を使用している間は原則としてお食事は控えていただきます。水分摂取については可能ですが、分娩の進行状況やお体の状態に応じてご案内します。
  4. 尿が出しにくくなることがあります
    麻酔の影響で尿意を感じにくくなったり、尿が出しにくくなったりすることがあります。その場合には、必要に応じて細い管で尿を出す処置を行います。
  5. 分娩監視装置を継続して装着します
    母児の安全を確認するため、麻酔使用中は胎児心拍と陣痛を持続的に観察します。赤ちゃんの状態やお腹の張りを確認しながら、安全に分娩を進めていきます。
  6. 子宮収縮剤(陣痛促進剤)を使用することがあります
    硬膜外麻酔により陣痛が弱くなることが多いため、多くの方で子宮収縮薬(誘発剤・促進剤)を使用しながら分娩を進めます。
  7. 吸引分娩や鉗子分娩となることが多くなります
    麻酔により痛みが和らぐ一方で、いきむ感覚が弱くなることがあります。赤ちゃんが産道を十分に降りてこられない場合や、分娩を早める必要がある場合には、吸引分娩や鉗子分娩を行うことがあります。
  8. 分娩後の出血量が多くなることがあります
    和痛(無痛)分娩では、分娩経過によって出血量が多くなることがあります。当院では、万が一の出血に備えるため、35週頃より自己血の貯血をお願いしております。分娩時の出血量やお体の状態に応じて、医師の判断で返血を行います。

Risk

副作用・合併症の多くは一時的なものですが、まれに重大な合併症が起こることがあります。体調の変化や気になる症状がある場合には、すぐに医師・助産師へお知らせください。

  1. 高位脊髄くも膜下麻酔
    非常にまれですが、麻酔薬が本来想定している硬膜外腔ではなく、脊髄くも膜下腔に入ることで、麻酔の効果が急激に強く広がることがあります。これを高位脊髄くも膜下麻酔といいます。足が動かしにくくなる、手のしびれ、息苦しさ、声が出しにくい、血圧低下、意識がぼんやりするなどの症状が出ることがあります。重症の場合には呼吸や循環の管理が必要となり、生命に関わることがあります。そのため、麻酔開始後は体調の変化を慎重に観察します。
  2. 局所麻酔薬中毒
    非常にまれですが、麻酔薬が血管内に入るなどして血液中の局所麻酔薬の濃度が高くなると、局所麻酔薬中毒を起こすことがあります。初期症状として、耳鳴り、口の周りのしびれ、めまい、気分不快、ろれつが回りにくいなどの症状がみられることがあります。重症化すると、けいれん、不整脈、意識障害などを起こすことがあります。異常が疑われる場合には、直ちに麻酔薬の投与を中止し、必要な治療を行います。
  3. 血圧が下がることがあります
    麻酔の影響で血圧が下がることがあります。多くは一時的なものですが、気分不快、吐き気、赤ちゃんの心拍の変化がみられることがあります。必要に応じて点滴や薬剤で対応します。
  4. 足の感覚が鈍くなる、足に力が入りにくくなることがあります
    麻酔により痛みが和らぐと同時に、足の感覚が鈍くなったり、足に力が入りにくくなったりすることがあります。通常は麻酔の効果が切れると改善しますが、安全のため麻酔中は歩行を控えていただきます。
  5. かゆみ、発熱、吐き気などがみられることがあります
    使用する薬剤の影響で、皮膚のかゆみ、発熱、吐き気などが出ることがあります。症状が強い場合には、状態に応じて薬剤の調整や治療を行います。
  6. 硬膜穿刺後頭痛が起こることがあります
    硬膜外カテーテルを挿入する際に、まれに硬膜という膜に針があたり、分娩後に頭痛が起こることがあります。座ったり立ったりすると頭痛が強くなり、横になると軽くなることが特徴です。多くは安静や痛み止めで改善しますが、症状が強い場合には追加の治療が必要になることがあります。
  7. 神経障害、硬膜外血腫、感染などが起こることがあります
    非常にまれですが、神経の障害、硬膜外腔に血液のかたまりができる硬膜外血腫、感染による膿瘍などが起こることがあります。強い腰痛、足の強いしびれや麻痺、感覚の異常、排尿・排便の異常などがある場合には、すぐに医師・助産師へお知らせください。
  8. 赤ちゃんの心拍に変化が出ることがあります
    麻酔開始後に、血圧の変化や子宮収縮の変化などにより、赤ちゃんの心拍が一時的に低下することがあります。多くは体位変換、点滴、子宮収縮剤の調整、必要な薬剤投与などで対応しますが、赤ちゃんの状態によっては急速遂娩や帝王切開が必要になることがあります。

Safety

当院では、麻酔開始後もお母さんの血圧、脈拍、酸素の状態、麻酔の効き具合、足の動き、赤ちゃんの心拍を確認しながら分娩を進めます。体調の変化や気になる症状がある場合には、すぐに医師・助産師へお知らせください。
和痛(無痛)分娩には大きなメリットがありますが、分娩中の制約や副作用・合併症がまったくないわけではありません。メリットとデメリットを理解したうえで、ご自身に合った分娩方法を一緒に考えていきましょう。

FAQ

Q
なぜ初産婦は自然な陣痛を待ち、経産婦は計画分娩を勧めるのですか?
A

初産婦さんは、分娩に平均12時間前後かかることが多く、子宮口がまだ十分に開いていない状態から分娩誘発を行うと、分娩までに2日から数日、もしくは1度退院され再度日程を調整するなど時間がかかる場合があります。そのため、自然な陣痛の始まりに合わせて入院し、分娩の進行を見ながら麻酔を開始することで、より自然な流れでお産を進めやすくなります。
一方、経産婦さんは、陣痛が始まってから分娩まで急速に進行することがあります。その場合、麻酔の準備が間に合わず、十分に和痛(無痛)分娩の効果を感じられないことがあります。そのため、経産婦さんには計画分娩をお勧めし、分娩誘発を行いながら、お腹の張りや痛みの程度に合わせて麻酔を開始し、痛みをコントロールしていくことを目指します。

Q
痛みはどのくらい軽くなりますか?
A

麻酔薬の効果には個人差があります。お産の痛みは半分程度の軽減を目標としますが、麻酔を開始しても痛みを強く感じる場合や、片側だけ効きにくい場合があります。その場合には、痛みの程度や麻酔の効き具合を確認しながら、体の向きを変える、麻酔薬を追加する、薬の量を調整するなど、できるだけ痛みを和らげられるよう対応します。

Q
自然に陣痛が来るのを待つ場合、陣痛が来たらどのように連絡すればよいですか?
A

自宅から当院までの距離や妊娠経過によって異なりますが、初産婦さんの場合は、規則的で痛みを伴うお腹の張りが10分に1回以上になったら、まず当院(0553-20-1230)へお電話ください。お電話で症状やお産の進み具合を確認し、スタッフと相談しながら入院のタイミングを決めていきます。破水感、出血、赤ちゃんの動きが少ないなど、気になる症状がある場合には、陣痛の間隔にかかわらずご連絡ください。

Q
和痛(無痛)分娩は赤ちゃんに影響がありますか?
A

硬膜外麻酔では、麻酔薬は主に背中の神経の近くに作用します。全身に回る量は少なく、赤ちゃんに直接届く量もごくわずかとされています。
一般的に、硬膜外麻酔によって赤ちゃんの呼吸状態、出生体重、Apgarスコアに大きな影響を与える可能性は低いとされています。ただし、麻酔開始後にお母さんの血圧が下がったり、子宮収縮の状態が変化したりすることで、赤ちゃんの心拍に一時的な変化がみられることがあります。
そのため当院では、麻酔中も胎児心拍と陣痛を持続的に確認し、お母さんと赤ちゃんの状態を観察しながら安全に分娩を進めていきます。

Info

当院の無痛分娩に関する施設情報は、以下のリンクよりご確認いただけます。