院長挨拶
Greeting
ご挨拶
はじめまして。院長の中村です。当院は山梨市唯一の産科を有する診療所として、市内外から訪れる多くの方の出産に携わってまいりました。また、女性特有の疾患やお悩みなど、あらゆる年齢層・ライフステージの女性に寄り添っております。
当院は「森の中のマタニティクリニック」というコンセプトのもと、設計・建築されました。敷地内は豊かな緑に囲まれ、院内は高さと奥行きのある空間が広がるなど、患者さんがリラックスできる環境になっております。
お身体の違和感、妊娠・出産に関するお悩みやご相談がありましたら、いつでも「山梨市立産婦人科医院」にご相談ください。スタッフ一丸となり、皆さんの健康を支えてまいります。
経歴
- 滋賀医科大学卒業
- 医療法人東雲会理事長
- 日本産科婦人科学会:専門医
- 母体保護法指定医師
院長から皆様へ
Message
山梨市の産婦人科医として

山梨市立産婦人科医院の前身は、1997年に山梨市駅南に開院した中村産婦人科医院です。開院後は地域の産婦人科医院として、女性の出産や健康に寄り添い続けてまいりましたが、駅周辺の都市開発による移転を余儀なくされます。
当時は市外に移転することも考えました。しかし、それは山梨市から、産婦人科医院がなくなることを意味します。
医療、それも新たな命の誕生に携わる者として、地域を見捨ててはならないという使命感から、行き着いた結論が「公設民営方式」による産婦人科医院の運営でした。
全国初となる「公設民営方式」での産婦人科医院の誕生

少子高齢化という現状の中、山梨市は「夢を持って子育てをできる街にしたい」という熱い想いを持っていました。そこで、公設民営方式を提案し、2017年6月に誕生したのが「山梨市立産婦人科医院」です。
山梨市立産婦人科医院における公設民営方式では、土地と建物は山梨市が管理し、医院の運営は私が理事長を務める東雲会が委託されています。有床産婦人科医院の公設民営は、全国初となる取り組みです。
開院後に気づいたのは、行政と民間の一体化が、より迅速かつ大胆な医院運営を実現することです。例えば、院内には多目的室があり、両親教室やマタニティヨガなどのイベントを山梨市が主催しています。これには、子育てに励む親御さん同士が集まり、孤立しない場所づくりの提供という目的があります。他にも、産前・産後のサポート事業を導入するなど、山梨市の子育て支援の一環として、施設を有効活用する取り組みがなされているのです。
診療への想い

産婦人科を利用する患者さんのなかには、不安な気持ちを抱えている方も多くいらっしゃいます。地域に根ざす産婦人科医院として、まず大切になるのは一人ひとりに寄り添い、抱えている不安を解決することです。
患者さんとは時間をかけて話し合い、伺った症状やお悩み、検査結果なども参考にしながら、わかりやすく丁寧な説明を心がけております。
特に当院は、事務員が診療中の書記を担当するため、医師が患者さんとのコミュニケーションに集中できる環境です。また、外来の場合は、当日のカルテを患者さんにお渡しするなど、患者さんとの信頼や明白な診察を大切にしております。
育成に対する想い

当院は助産師の育成にも力を入れております。県内外の大学と連携し、新卒を毎年迎え入れ、1年目から現場で積極的に経験を積ませています。
当院で出産を希望する患者さんには、新人や実習生が在籍し、出産をサポートすることに同意をいただいております。座学による勉強も大事ですが、助産師の成長には現場での経験が欠かせません。 出産が未来の助産師の育成にも貢献するといえます。当院の方針にご理解・ご協力くださる患者さんも多く、本当に感謝しかありません。
人材というのは流動的かつ循環するものであり、すべてのスタッフが当院で働き続けるわけではありません。当院での経験を経て、別の病院で働いてみたくなったり、地元に戻って助産師として活躍したくなったりなど、新たな目標を見つけるスタッフもいます。
一人ひとりの想いを汲み取り、送り出してあげることも、育成の重要な役割の1つだと考えております。新たな環境でさらなる成長をめざし、今度は自分が新人を育成する立場になるなど、助産師という仕事に誇りを持って頑張ってもらいたいですね。
これからの未来に向けて

少子高齢化に伴い、出生数も減少傾向にありますが、それでも日々新たな命が誕生しています。安心できる出産はもちろん、女性ならではの身体のお悩みを解決し、毎日を自分らしく健康に暮らすには、産婦人科は今後も地域にとってなくてはならない場所です。
しかし、私たちのような民間の力だけでは、産婦人科の今後が明るいとは限りません。利益や安定した経営だけを優先するのであれば、多くは人口の多い都市部に流出することでしょう。「公設民営方式」こそが産婦人科の未来につながり、地域医療の質を担保すると私は考えます。
行政と民間が一体となり、地域全体で子育て世代を支えることが、未来を担う子どもたちの健やかな成長を実現するのではないでしょうか?
今後も山梨市や県内外の大学とも連携しながら、安心できる出産環境や産後のケア、助産師の育成などに引き続き尽力いたします。
当院をご利用くださる皆さまに寄り添い、生まれ育った山梨の地域医療に貢献してまいりますので、これからも「山梨市立産婦人科医院」をよろしくお願いいたします。